「任意売却」という言葉をご存じですか?
しっかり返済計画をたてて住宅ローンを組んだつもりでも、思いがけないトラブルなどで返済が難しくなることもありますよね。
任意売却とは、そんな住宅ローンの返済が困難になった際に検討してほしい不動産の売却方法のひとつです。
ここでは任意売却の概要や「競売」との違い、そして任意売却のメリット・デメリットについてご紹介していきます。
不動産をどう売るべきか?任意売却と競売の違いとは
住宅ローンの返済が滞った不動産はやがて競売にかけられることになりますが、競売となると金額設定の決定権が裁判所にあり、市場価格よりも3割ほど安い価格で売却されるケースも少なくありません。
任意売却とは、不動産の売主と住宅ローンの債務者(金融機関)との間に仲介業者が入り、債務者の同意のうえで抵当権を外し、ローンが残った状態でも不動産を売りに出せる状態にする方法のこと。
つまり、競売にかけられる前に少しでもいい条件で売却してしまおうという考えです。
また、競売の場合は売却したあとの残債の一括返済が求められますが、任意売却の場合は残債を引き続きローンとして分割払いすることができます。
不動産を任意売却するメリット・デメリットとは
競売と比べるとメリットが多いように思える任意売却ですが、それでもメリット・デメリット両方の面を持っています。
任意売却の大きなメリットとしては、価格も含めて、一般的な不動産とほぼ同じ条件での売却が可能なこと。
高額で売れるほど、ローンの残債も少なくなりますよね。
また任意売却であれば、仲介手数料や税金といった家の売却に関連する諸費用も、売却額のなかから出すことが許されています。
場合によっては、引越し費用も家を売却したお金から差し引けることもあるようです。
デメリットとしては、個人信用情報に傷が付き、いわゆるブラックリストに載ってしまうということ。
こうなると、そこから少なくとも5年ほどは住宅ローンなどが利用できなくなります。
また、任意売却を進めていても、なかなか買い手が見つからなければ競売に切り替えられてしまうケースもあります。
競売で買い手が決まってしまえば、もう任意売却の意味はありません。
このようなメリット・デメリットを考えると、任意売却も決しておすすめできるものではないことがおわかりいただけると思います。