土地付きの家を売却しようと検討しているなかで、「不動産の按分」という言葉を耳にすることはありませんか?
はじめて不動産を売却する方にとっては聞きなれない言葉だと思います、「按分って何?」と疑問に思うかもしれませんね。
そこで今回は、不動産の売却をご検討中の方に向けて、売却する際の土地と建物の按分について解説いたします。
不動産を売却する際の按分とは?まずは方法を知っておこう!
按分とは、「ものの比率を算出して割り振ること」です。
不動産の場合ですと、簡単に言えば「家と土地の価値を割り振ること」です。
「なぜ按分する必要があるの?」と不思議に思う方も多いでしょう。
不動産を売却する際には税金が発生し、課税額は建物を売却した金額に応じて変わります。
つまり課税額を決めるために、土地付きの家を売る場合には、土地と建物それぞれの価格を割り振る必要があるのです。
按分する際に価格を割り振る方法は、次の3つです。
●売主と買主で話し合って決める
●固定資産税評価額に基づいて決める
●不動産鑑定士に評価を依頼して決める
売主と買主の両者の合意があれば、自由に配分を決められます。
また路線価を利用して割りだされた、固定資産税評価額に基づいて算出することもできます。
固定資産税評価額は建物を売却する際の相場を調べるためにも利用するもので、決まった計算式を用いて算出するため、お互いが納得しやすいですし、国税庁も推奨しています。
さらに不動産鑑定士に評価してもらうこともできます。
プロの評価に基づいて価格を決定できるので、説得力があると言えるでしょう。
不動産を売却する際の按分とは?知っておくべき注意点
では実際に不動産を按分する際には、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。
いくつか注意点をお伝えしますので、頭に入れておいてくださいね。
●金額設定を慎重にする
●極端な配分をしない
●鑑定評価書の作成には数十万円の費用がかかる
先程もお伝えしましたが、建物の取引には税金が発生します。
売主側は、土地の割合が多ければ消費税の支払いを抑えられます。
一方買主側は、建物に対して特別控除を利用できるので、土地の割合が少なければ控除額が大きくなりお得です。
売主・買主の両方が納得する金額を算出しておかなければ、トラブルに発展する可能性があります。
また極端な配分に対しては国税庁から指摘を受ける可能性があるので、しっかりとした根拠に基づいて適正な金額設定を心がけましょう。