「現状渡し」という方法で不動産を売却する方法があることをご存知でしょうか?
今回は不動産の売却を検討されている方に向けて、現状渡しの具体的な売却方法や、メリット・デメリットについてご紹介します。
不動産を現状渡しで売却する方法
現状渡しとは、家の傷や破損などを買主に伝え売買契約時記入を行い、売主は修復しないで売る方法です。
「外壁にヒビが入っている」「雨濡りしている」などが入ります。
なお、売主は不動産を引き渡すときに、知っている不具合部分をすべて伝える法的責任による告知義務があります。
不具合や事件、事故など知っているのに告げなかったことで、買主から契約違反による損害賠償を求められる場合があります。
リスク回避のために、「現状確認書」や「付帯設備表」を作成し買主に告知しましょう。
不動産を現状渡しで売却するメリットとデメリット
2020年4月に改正民法が施工され、従来の「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変わりました。
これにより、売主が知っている情報を、買主にすべて告知する義務があります。
また、売主が知らない物件の不具合が見つかった場合、買主は売主に対して「追完請求」が可能です。
【売主側のメリット】
手間やコストをかけずに売ることが可能です。
とくに、築年数が30年以上経過した物件にはオススメです。
売却額より、修繕費のほうが高くなり、損になる可能性が大きくなります。
不具合部分を買主に伝え、その分値引き交渉が入ると思ったほうがいいでしょう。
また、早期売却が可能なメリットになるため、物件を早く手放したい方にも現状渡しがオススメです。
【売主側のデメリット】
「契約不適合責任」の負担です。
不具合を知っているすべてを伝え、契約書に書かれていないと責任を問われます。
リスク回避のためにインスペクションを実施しておくとよいでしょう。
値段交渉前提のため、売却相場より安くなります。
どこまで値引きをするか、決めておくとよいですよ。
【買主側のメリット】
安く物件を購入し、自由にリフォームができるようになります。
場合によっては、通常の中古住宅を購入して、リフォームをおこなうよりも安くなる可能性があります。
【買主側のデメリット】
現状渡しのため、設備を使えるようにする手直しが必要になる場合もあります。
その場合でも、契約不適合責任で売主に確認や依頼する手間がかかります。
できる限り、物件の状態を把握後に購入することをオススメします。
売主にインスペクションの実施を依頼し、リスクを減らしましょう。