査定額は物件の売却を考えた際に参考となる重要な数値です。
近年は査定額がすぐにわかることをウリにしたサービスも増えてきました。
しかし、査定額は常に一定のものではなく、同じ時期に査定に出したのに大きく金額が違うというケースも見られます。
いざ物件を売る際に混乱しないように、査定額の仕組みと活用する場合の注意点を見ていきましょう。
同じ物件でも売却の査定額が変わるのはなぜ?
査定額は売主にとって大事な数字ですが、これは常に一定の金額になるとは限りません。
一例を挙げると、同じ物件を査定に出した際にある会社は2,800万円と査定し、別の会社は3,300万円と査定するようなことが一般的に起こりえます。
同じ物件を査定しているはずなのに、なぜ会社によって査定額が変わるのでしょうか。
その理由は、査定の方法や使っているデータが異なるためです。
まず査定の方法としては、物件情報だけで査定を進める机上査定と、実際の物件状態や周辺環境を調査して査定結果を出す訪問査定の2種類が存在しています。
机上査定は手軽に申し込んですぐに結果を得られるのに対し、訪問査定では時間をかけてより多くの項目を加味した査定が可能です。
査定に使う要素の数が異なると、やはり査定額にも差が生じます。
そして、同じ査定方法で同じ項目をチェックしていた場合でも、参考にするデータが同じものとは限りません。
使っている地価データや地域の相場見通しが異なれば、やはり査定額も変わってきます。
また、不動産会社によって得意な物件のジャンルが異なること、査定の際に比較する物件が異なることも査定額が変動する理由のひとつです。
なお判断基準が少ない机上査定の場合は、1つの査定内でも数百万円単位で幅のある査定額が提示されるケースも見られます。
物件の売却時に査定額を参考にする場合の注意点
次は査定額を参考にする際の注意点を見ていきましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する際に便利な一括査定サイトですが、その使い方には少し注意が必要です。
まず、情報を入力するだけで結果がすぐに判明する一括査定は、先の項目で述べた机上査定に該当します。
細かく物件をチェックする訪問査定に比べると精度が低いので、相場の参考程度にとどめたほうがいいでしょう。
また、複数の査定結果を活用するためには適正価格の見極めが重要になりますが、この見極めも簡単ではありません。
単に査定結果の平均を出せば適正価格になるのではなく、さまざまなデータから判断することが求められます。
公示価格や路線価といった国のデータを活用するためにも、自身である程度不動産について学んでおく必要があるでしょう。