相続のときに選択できる限定承認とは？相続放棄との違いも解説
故人が遺した財産にマイナスの財産である債務がある場合、限定承認という方法を選択することができます。
故人が多くの債務を残していた場合、相続放棄という方法がありますが、限定承認とはどう違うのでしょうか。
そこで今回は、限定承認とは何か、その条件や相続放棄との違いについて解説します。
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相続の限定承認とはなにか
限定承認とは、故人の財産を相続する際に、プラスの財産の範囲内でのみマイナスの財産を引き継ぐ方法です。
これにより、相続人は故人の借金などの債務を、相続するプラスの財産以上に負うことがなくなります。
限定承認を選択することで、相続人は自己の財産を守りつつ、故人の財産を適切に管理することが可能です。
ただし、この方法を選ぶには相続人全員の合意が必要であり、手続きは複雑で時間がかかることがあります。
また、限定承認をおこなうと、不動産や株式などの財産がある場合はみなし譲渡所得税が課税されることがあります。
被相続人がその不動産や株式を取得したときよりも、相続開始の時点での資産価値が上がっている場合に課される税金です。
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限定承認をするにあたっての注意点
限定承認にはいくつかの注意点があります。
まず、相続人全員が合意し、共同で家庭裁判所に申述する必要があります。
限定承認は、プラスの財産とマイナスの財産が相続財産全体として計算されるためです。
次に、相続開始を知った日から3か月以内に手続きを完了させる必要があり、その期限を過ぎると単純承認したとみなされてしまうので注意しましょう。
限定相続が裁判所に受理されたあとは、相続財産の清算手続きが必要です。
これには、相続債権者への公告や相続財産の換価、弁済などが含まれます。
手続きは煩雑であり、弁護士などの助けが必要です。
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限定承認と相続放棄の違い
相続放棄と限定承認の違いは、相続人全員の合意が必要な限定承認に対し、相続放棄は相続人単独で可能である点です。
限定承認は、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぎますが、相続放棄では財産を一切受け取らないことを意味します。
限定承認も相続放棄の手続きも、相続開始後3か月以内に完了させる必要があります。
相続放棄をおこなう場合も、家庭裁判所に申立てをおこないますが、限定承認と違って相続人一人で申し立てできることが大きな違いです。
ただし、自身が相続を放棄したマイナスの財産は、他の相続人が引き継ぐことになるので、事前の相談は必要です。
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まとめ
限定承認は、プラスの財産の範囲内で責任を負うので、自分の財産で個人の債務を弁済する必要がありません。
相続開始を知った日から3か月以内に、相続人全員で申述をする必要があるので、合意を得るのが難しいことがあります。
プラスの財産もマイナスの財産も受け継がない、相続放棄という方法もあります。
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